【1月20日 AFP】ハイチの首都ポルトープランス(Port-au-Prince)で、地震による被害が拡大した原因として、低品質のコンクリートや鉄筋の使用があげられるとの報告書を、フランスの非政府団体「Emergency Architects Foundation」がまとめた。

 同団体はポルトープランスで3日間にわたって調査を実施。建築家のPatrick Coulombel氏とSerge Guno氏は、主要な30の建築物を実地調査し、構造の安定性を評価した。ポルトープランスのフランス中学校は合格点で、仮設病院にすることもできると評価された。一方、地震による影響が無い様子だったあるホテルは、安全でないと判断され、滞在していた記者たちが退去することになった。Coulombel氏はAFPに「われわれは余震を懸念している」と語った。

 Coulombel氏によると、倒壊または倒壊のおそれのある建物の全てで、粗悪な鉄筋と低品質のコンクリートが使用されていた。「(これらの建物では、)鉄筋が素手で曲げることができるほどやわらかかった。また、良質な鉄筋はゴツゴツしているが、なめらかな鉄筋が使用されていた。コンクリートについては、セメントの比率が間違っており、骨材の品質も悪かった」

 Coulombel氏は、「コスト削減のために粗悪な鉄骨が使われセメントの量が減らされる」と述べる。また、コンクリートの製造は「技術的にとても複雑なため、ここの人びとは高品質なコンクリートを作ることができない」と語った。

 建物の形状を変えることで強度を上げることもできるという。おすすめはピラミッド型とのことだが、Coulombel氏は「人びとはピラミッドに住みたいとはあまり思わないだろうね」と語った。(c)AFP