【1月10日 AFP】厳しい寒波に見舞われている欧州各地は9日、凍死者が相次いだほか、大雪のため交通に大きな混乱が生じた。

 厳しい気象状況を受け、各国当局は市民に生活必需品の買いだめを呼び掛けている。大雪となっているドイツでは、4日分の食糧と医療品を購入して自宅に待機し、必要のない外出は控えるようにとの勧告が出ている。ドイツの北部と中部では積雪が25センチに達しており、10日には全国でさらに雪が降るとの予報が出ている。

 寒波による死者も増え続けており、9日にはフランス北西部ノルマンディー(Normandy)地方で60歳の路上生活者が凍死した。約30年ぶりの大寒波に見舞われている英国のイングランド北東部ニューカッスル(Newcastle)では、雪の上に倒れているところを見つかった42歳の女性が死亡した。

 大雪の影響で欧州各地の空の便に乱れが出ている。欧州第3位の規模を誇る独フランクフルト(Frankfurt)空港では220便以上が欠航したほか、多くの便が予定より遅れて運航している。また各地の主要高速道路も閉鎖されている。

 フランス気象庁(Meteo France)によると、欧州各地が寒波に襲われたのは、地中海北部から比較的温かい湿った空気を運んできたイタリア北部上空の低気圧に北と東からの寒気が流れ込むという、珍しい気象条件になったことが原因だという。(c)AFP