【11月29日 AFP】サウジアラビアの紅海沿岸のジッダ(Jeddah)で豪雨によって25日に発生した洪水による死者は103人に増えた。アラブ首長国連邦ドバイ(Dubai)に本拠を置くサウジアラビア資本の衛星テレビ局、アルアラビーヤ(Al-Arabiya)が28日報じた。

 冠水した道路で車から逃げられなくなり、おぼれて亡くなった人が多かった。道路の水深が急激に2メートルを超えたところもあったという。道路の水は26日に引いたが、その後には乗用車やトラックが多数残された。ジッダは首都リヤド(Riyadh)に次ぐ同国第2の大都市だが、一部地域では停電が続いている。

■市当局への批判高まる

 大きな被害を受けたことで、市民の間では市当局に対する批判が高まっている。ある弁護士は防災対策を怠ったことが洪水の主な原因だったとしてジッダ市を相手取り裁判を起こすと発表した。同国で公に当局批判が行われるのは異例。

 またSNSサイト、フェースブック(Facebook)には「ジッダの街を守る人々の運動」というページが作られ、開設から3日で参加者は1万1000人を超えた。このページの参加者らも、市当局と市から委託された業者が適切な防災インフラを作っていなかったと批判している。

 メディア技術の教授だという参加者の1人は、「この問題は何年も前から議論されてきた。小規模な洪水はこれまでにも起きていたので、いつかこのような災害が起きるとだれもが思っていた」と話す。「(今回の洪水の)原因は1つしかない。腐敗だ。当局は多額の予算を付けたが、その予算はどこかに消えてしまった」(c)AFP/Paul Handley