【8月25日 AFP】(写真追加)ギリシャの首都アテネ(Athens)近郊で発生した大規模な山火事は24日、消防当局の懸命の消火作業で鎮火に向かっている。一方で、ギリシャでは2年前にも77人が死亡する山火事が発生しており、当局の対応に批判が集まっている。

 今回の山火事では、森林の焼失面積は数千ヘクタールに上り、郊外の住民数百人が避難を余儀なくされた。アテネにも延焼が及ぶとの懸念が高まっていたが、折からの強風が弱まったことで火の勢いは沈静化した。

 山火事が発生した21日以来、消防飛行機の支援を受けつつ、消防士らは懸命の消火作業に取り組んできた。そうした努力のおかげで、現場一帯には焦げた樹木のにおいが立ちこめているものの、火勢は弱まりつつある。

 消防当局は、再出火した場合に備え消防士が待機しているとした上で、アテネ西部のPorto Germeno周辺をのぞき、事態は落ち着きつつあるとしている。

 山火事では、グラマティコ(Grammatiko)近郊にあるラムノス(Rhamnous)の古代ギリシャのとりで跡など、ギリシャの最も重要な古代遺跡が焼失の危険にさらされた。グラマティコでは24日も、延焼を防ぐため、消火活動が行われた。ほかにも、紀元前490年にギリシア軍とアケメネス朝ペルシア王国軍が戦った、陸上競技マラソンの発祥地マラトン(Marathon)平原も煙に包まれた。(c)AFP/John Hadoulis