【8月12日 AFP】東アジアを襲った台風8号(モーラコット、Morakot)と台風9号(アータウ、Etau)による犠牲者は、少なくとも85人にのぼった。台湾では大規模な土砂崩れが発生し、生き埋めになった推定100人の村人たちの救出活動が急ピッチで進められている。

 8号が直撃した台湾では、これまでに62人の死亡が確認され、58人が行方不明となっている。また、台湾南部の高雄(Kaohsiung)県小林(Hsiaolin)村では土砂崩れで100人程度が生き埋めになっていると見られ、村に至る道路がすべて寸断されているためヘリコプターによる救出活動が行われている。

 また、小林村を含む同県の孤立した地域から、これまでに約500人が台湾南部にヘリコプターで輸送されたという。

 台湾に上陸した8号により、週末にかけての降雨量は3000ミリに達した。消防当局によると、すべての道路が冠水し、崩落した橋も多数に上る。洪水の規模としては半世紀ぶりという。

 8号は10日現在、中国本土で6人の死者、3人の行方不明者を出した。全壊家屋は6000棟以上にのぼっているという。

 なお、9号の影響を受けた日本では、週末から11日にかけて各地で洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも15人が死亡、10人以上が行方不明となっている。被災地には、自衛隊約400人が投入されている。台風が本州南岸を通過中の11日早朝にはくしくもマグニチュード6.4の地震が発生した。

 兵庫県佐用町では、避難中の住民らが増水した用水路に流されるなどして、これまでに12人の死亡が確認されている。(c)AFP/Sam Yeh