【5月24日 AFP】オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州メルボルン(Melbourne)近郊で今年2月に発生し173人が死亡した山火事の調査委員会で21日、この火事で広島型原爆1500発分に相当するエネルギーが放出されたと専門家が証言した。

 メルボルン大学(Melbourne University)で炎の挙動を研究しているケビン・トルハースト(Kevin Tolhurst)氏によると、炎によって風速35メートル以上の樹木を折るほど強烈な風が発生した。あらゆる方向に火の粉が飛散し、35キロ離れた場所でも炎が確認されたという。

 高い気温と強風、乾燥という悪条件のなか発生したこの火災で2000棟以上が焼失し、オーストラリア史上最悪の災害となった。

 元最高裁判事バーナード・ティーグ(Bernard Teague)氏が委員長を務める調査委員会は、被害が拡大した原因を調査して8月までに中間報告をまとめる予定。

 広島は第2次世界大戦末期の1945年8月6日に米軍により原爆が投下され、14万人以上が死亡した。(c)AFP