【4月7日 AFP】(一部更新、写真追加)イタリア中部アブルツォ(Abruzzo)州で6日早朝に発生したマグニチュード6.2の地震による被害は、7日朝までに少なくとも179人の死亡が確認された。負傷者はおよそ1500人。発生から24時間が経過したが、震源地となった州都ラクイラ(L'Aquila)ではいまだ34人が行方不明となっている。

 震源はラクイラの真下で、揺れは30秒間続いた。ラクイラは中世の城郭都市で、バロック様式やルネサンス様式など古い建物が多数倒壊。下敷きになった人々の救出活動が夕方から降り出した雨のなか進められ、これまでに100人以上が無事救出された。

 ラクイラを中心に30キロ四方の地域が大きな被害を受け、近くのビラ・サンアンジェロ(Villa Sant'Angelo)やボルゴ・ディ・カステルヌオボ(Borgo di Castelnuovo)など、ほぼ壊滅した村もある。政府の発表によると、半壊・倒壊家屋は1万棟に上り、約7万人が家を失ったとみられる。

 伊ANSA通信によると、7日朝までに280回の余震が観測された。

 住民らは軍の施設やスタジアム、スポーツ施設に作られた避難所で不安な夜を明かした。市内には最大2万人まで収容可能なテント村が急きょ設営された。

 倒壊した家屋や山肌から崩れ落ちた土石などで道路は寸断されており、徒歩でラクイラを離れ避難する住民の姿も多く見られた。

 ラクイラには歴史的建造物が数多くあり、16世紀のサンベルナルディノ(San Bernardino)教会や市中心部の大聖堂などに被害が出ている。(c)AFP/Katia Dolmadjian