【2月9日 AFP】(一部更新、写真追加)オーストラリア南東部で発生した大規模な山火事で、警察当局は9日午後までに、131人の死亡を確認したと発表した。この山火事による全焼家屋は750棟以上に上り、豪州史上最悪の自然災害となっている。また警察は同日朝、放火の疑いで2人を逮捕したと発表した。

 7日の火災発生以降、これまでに焼失した地域はルクセンブルクの国土より広い3000平方キロメートル。最も被害の大きいビクトリア(Victoria)州では、依然31か所で火災が広がっており、死者数は今後増える恐れがある。

 警察によると、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州ピーツリッジ(Peats Ridge)の森林で約200ヘクタールを消失した火災で、地元警察が31歳の男を放火容疑で逮捕。9日にも裁判所に出廷する予定だという。

 また、8日にシドニー(Sydney)近郊のブルーマウンテンズ(Blue Mountains)の林に放火したとして、15歳の少年が逮捕・送検された。火災は低木を少し焼いた程度で済んだという。少年は保釈された。いずれの火災でも死者は出ていない。

 警察は、死者が集中しているビクトリア州での大規模な火災のいくつかも放火が原因と見ており、すべての山火事現場に非常線を張ることを決めた。数百棟が焼失したキングレイク(Kinglake)や、ギップスランド・バレー(Gippsland Valley)のチャーチル(Churchill)で、捜査を始めたという。警察によると、放火・殺人罪は終身刑に相当する。

 ケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相は、放火犯は「大量殺人者だ」と非難。被災者に資金支援を行う考えを表明した。(c)AFP