【12月15日 AFP】エジプトで14日、運河にバスが転落し、少なくとも52人が死亡、10人が負傷し病院に運ばれた。同国としては過去20年間で最悪の交通事故になるとみられる。

 治安当局によると、転落したのは公共バスで少なくとも60人が乗車していた。バスはナイル川沿いの都市ミニヤ(Minya)から首都カイロ(Cairo)に向かっていたが、カイロの南200キロにあるDahrut村付近で主要幹線道路を走行中、対向車線から接近してきたトラックを避けようとして道路からそれ、イブラヒミヤ(Ibrahimiya)運河に転落した。

 現場には20台以上の救急車と付近の住民が駆けつけて救助活動を行った。死者の多くは大学生で、救助隊は現在、生存者や遺体の捜索を続けている。警察はトラックとバスの両方の運転手を拘束し取り調べている。

 エジプトでは道路状況の悪さと交通規制の緩さから、毎年数千件の交通事故が発生し、約6000人が死亡、約3万人が負傷している。交通安全の向上を目指してこの8月から新たな幹線道路条例が施行された。同国運輸省によれば車両の維持管理が不十分なことも交通事故多発の原因の一つだという。(c)AFP