【11月13日 AFP】(一部更新)ロシア海軍の原子力潜水艦「ネルパ(Nerpa)」が日本海での航行試験中に消火装置の誤作動を起こし、乗組員やエンジニア20人が死亡した事故で、事故調査委員会は13日、事故原因は乗り組んでいた水兵の1人が消火装置を無許可で作動させたことだと断定、この水兵を過失致死の疑いで刑事告発した。事故調委の発表をロシア通信(RIA Novosti)が伝えた。

 報道によると、事故調委は「水兵の1人が無許可で、理由なしに消火システムを作動させた事実が証明された」「この水兵はすでに過失を認めた」などと説明した。告発内容は、最大7年の量刑に相当するという。当局は、当時艦内で火事は起きていなかったとしている。

「ネルパ」の事故では、消火装置が作動したためフロンガスが艦内に充満し、酸素不足で20人が窒息死、21人が病院に運ばれた。被害が拡大した理由としては、酸素マスクの不足に加え、マスクを着用した遺体も発見されていることから、マスク自体に欠陥があった可能性も指摘されており、ロシア軍の装備の安全性をめぐって新たな不安を露呈する結果となった。

 一方ロシア軍は12日、事故を起こした「ネルパ」が航行試験に合格し、正式にロシア海軍に配備される予定だと発表している。(c)AFP