【6月28日 AFP】中国当局は感染症の拡大を予防するため、前月の四川大地震の被害が最も大きかった南西部の被災地で26日に解除したばかりの立ち入り禁止措置を再開した。28日、国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 再び立ち入りが禁止されたのは5月12日の大震災で壊滅的な被害を受けた四川(Sichuan)省綿陽(Mianyang)市北川(Beichuan)県で、周辺には600人を超える警官隊が配備され、外部からの立ち入りが全面的に禁止された。

 北川県警察によると、気温の上昇に伴って感染症の流行が懸念されることから、この措置は長期間に及ぶ見通し。

 新華社によると、震災で約1万2000人の住人の約半数を失った北川県への立ち入りは最近ようやく許可され、住民は自宅で大切な家財道具を探せるようになったばかりだったが、帰宅した住民のなかに家族の遺体を素手で掘り出す人もいたため、感染症予防のため短期間で再び立ち入りが禁止された。

 感染した遺体に接触すると、鳥インフルエンザや日本脳炎、狂犬病といった感染症にかかる恐れがあるほか、炭疽や破傷風といった病気の危険性も指摘されていた。

 27日正午現在で四川大地震による死者は6万9186人、行方不明者は1万8457人に上っている。(c)AFP