【6月26日 AFP】包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear-Test-Ban TreatyCTBT)を監視するCTBT機関(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization, CTBTO)準備委員会は26日、環太平洋諸国に対し、大型津波を予測するためのデータを提供すると発表した。

 CTBT機関準備委員会は、迅速で信頼性の高い地震波と海中音データの提供により、信頼性の高い津波警報の速やかな発出に役立てられるとしている。

 同準備委員会は声明で「オーストラリア、インドネシア、日本、フィリピン、米国、タイ、マレーシアのいくつかの組織との間で、津波警報を目的とした合意がまもなく締結されるだろう」と発表した。 

 2004年12月26日のスマトラ島沖地震後に発生し、東南アジアで22万人が犠牲となったインド洋大津波以後、オーストラリア、日本、マレーシア、米国の津波警報機関にはすでに、関連データが提供されている。

 インド洋大津波以後、国際社会は早期津波警報システムの構築に6000万ドル(約65億円)を投入してきた。資金の大半は、最も被害の大きかったインドネシアに提供されている。

 CTBT機関準備委員会は、包括的核実験禁止条約が発効した後の検証制度立ち上げを準備するために1996年に設立された。

 CTBTの発効には研究用・発電用の原子炉を保有する44か国の批准が必要だが、中国、米国を含み批准していない国があるため、まだ発効していない。条約履行の検証のため、核実験・核爆発の監視システムを構築、世界300か所以上の観測所をもつ監視網から送られるデータを集約しており、このデータを津波予測に転用できるとしている。(c)AFP