【6月24日 AFP】5月12日の四川大地震時にがれきに埋まり、救出されるまでの36日間を木炭と水で食いつないだ1歳のブタが、「生きる意志」のシンボルとしてもてはやされている。国営新華社通信(Xinhua)などが23日伝えた。

 重慶晩報(Chongqing Evening Post)によると、このブタは17日、四川(Sichuan)省彭州(Pengzhou)市で、兵士らががれきを片付けている際に発見された。地震前には体重が約150キロあったが、発見時には約50キロまでやせ、骨と皮ばかりになっていた。目撃者によると「ヤギのようにやせ細り、まるでブタには見えなかった」という。

 ブタは水と、がれき中に埋まっていた袋詰めの木炭で食いつないだ。木炭は栄養価はないものの、食べても害はなく、ブタは食欲を満たされたものとみられる。 

 雲南(Yunnan)省にある剣川博物館(Jianchuan Museum)がすでにこのブタを3008元(約4万7000円)で購入し、中国名で「強いブタ」を意味する名前を付けた。「地震災害の生き証人」として、ブタが死ぬまで飼い続けたいとしている。

 元の持ち主である王さんは、ブタは死んだものとあきらめていた。がれきの撤去作業をする兵士らに「ブタの死骸があるので伝染病に気をつけるよう」注意を促しに行った際、再会を果たすこととなった。博物館に提示した3008元という金額は、元の体重1ポンドあたり10元、それに(ブタの)幸運を祈って8ポンドを足したものだという。(c)AFP