【6月22日 AFP】(一部更新)フィリピン中部から南部を直撃した台風6号(フンシェン、Fengshen)による死者は、これまでに少なくとも229人が確認された。行方不明者の数は6人となっている。

 死者数が最も多かったのは、21日に台風6号が通過した中部のイロイロ(Iloilo)州。フィリピン赤十字社(Philippine Red Cross)のリチャード・ゴードン(Richard Gordon)会長によると、同州の死者は101人に達した。

 周辺のロンブロン(Romblon)、コタバト(Cotabato)、アンティケ(Antique)、カピス(Capiz)の各州でも死者が出ているという。

 赤十字の発表した数字には、フィリピン中部シブヤン(Sibuyan)島沖で21日、台風による高波の直撃を受け、乗客ら約750人以上を乗せたまま沈没した大型フェリー「プリンセス・オブ・ザ・スターズ(Princess of the Stars)」号の事故の犠牲者は含まれていない。

 この事故ではこれまでに4人の死亡が確認され、生存者3人が救出されたが、残る乗客の安否は分かっていない。ゴードン会長は「フェリー事故の死者が加われば、この死傷者の数は一挙に増えるだろう」と懸念している。

 一方、イロイロ州の洪水は22日に入って引き始め、浸水した地域でも車両の通行が可能になっていると当局が発表した。イロイロ州では3万5000世帯が避難を余儀なくされた。同州および周辺では停電しており、復旧までに約1週間はかかる見込みだという。また多くの地域で、電話線の断線や、携帯電話の中継塔の倒壊などが発生している。

 首都マニラ(Manila)および周辺地域では22日午前、台風に襲われた。市内の大部分で停電が発生したほか、航空便は国内・国外線ともにキャンセルが相次いだ。

 台風6号は北西に向かい、マニラ首都圏およびルソン(Luzon)島北部を通過した。中心部の最大風速35メートルで、時速15キロで北西に向かうとみられる。(c)AFP