【5月22日 AFP】中国・四川大地震の発生から10日目の22日、中国政府は地震で家を失った約500万人の被災者に対する感染症予防対策を強化している。

 死者・行方不明者が7万4000人を数えるなか、中国政府は壊滅的な被害を受けた地域社会の再建という難問に直面している。

 中国衛生省は、地震の被害が最も大きい四川省の病院で治療を受けている重傷者8000人を、列車や航空機で他地域へ移送し始めた。

 一方、地震で家を失った520万人の多くはテントや防水シートの下ですし詰め状態のまま過ごしており、心的外傷を抱えながら、感染症の危険だけでなくけんたい感にも直面している。

 また、同省什ホウ(Shifang)市の保険当局者の話では犠牲者の遺体や動物の死体数百体が腐敗し始めており、緊急避難所で過ごす人々への影響が懸念されている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)も感染症のまん延が最も懸念されると指摘し、医薬品や衛生用品13万人分を被災地に追加支援することを発表した。また、イタリア、日本、ロシアの医療チームがすでに現地で支援にあたっているほか、米国とWHOの専門家も現地入りを予定している。(c)AFP/Peter Harmsen