四川大地震、家を失った被災者 見えない先行き
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【5月21日 AFP】中国南西部を襲った大地震で、幸運にも生き延びたが家を失った被災者は500万人に上る。彼らは貧窮しており、将来の展望は暗い。
綿竹(Mianzhu)市郊外のスタジアムでは、中国当局の準備した青いテントが、山あいの地域から避難した7000人を超える被災者の新しい家となっている。道の反対側では、ブルドーザーが整地を行い、救助活動で訪れる兵士用テントの準備が進んでいる。
ある被災者の男性(25)は、この避難所で姉妹を見つけることはできたが、両親・祖父母など他の家族の安否は分からないと話す。家も仕事もなく、ここで面倒をみてもらえるのはありがたい、と話す一方で、住んでいた地域は地震で壊滅的な被害をうけ、先のことを考えるとどこか別の場所で仕事を探さなければならないだろうと話す。
死亡者が4万人を超えた四川(Sichuan)省では、多くの被災者が同じ状況にある。被災地となった地方では保険というものがほとんど知られておらず、被災者の多くが一日一日を何とか生きている。
谷間にあるQingping村から避難してきた被災者もいる。地震に続いた土石流で、住民は軍の救助部隊が到着するまで「陸の孤島」となった村に4日間閉じ込められた。
貧しい被災者たちの多くが家や町を建て直したいと考えており、被災地入りした胡錦涛(Hu Jintao)国家主席も支援を約束した。しかし、それがいつどのように実現するのか誰にも分からない。「私たちには何もない。村の再建に必要な金をどうやって手に入れたらいいのか分からない」とQingping村出身の被災者(52)は話す。「政府に頼るしかない」
被災者にとって最も差し迫った問題は子どもたちの教育だ。今週、被災地の数校が震災後初めて授業を再開したが、倒壊した学校は7000にも上っている。政府は建築基準の調査を行うと約束したが、16歳の高校生は「すぐに学校に戻れると言われたが具体的な話は何もない」と話す。地震の影響を受けなかった学校や大学は、数週間後に大学入試が迫っている最終学年の生徒や学生だけを受け入れている。
中国各地からは、若者を中心としたボランティアが被災者支援のため被災地入りした。四川省の省都、成都(Chengdu)にある西南財経大学(Southwestern University of Finance and Economics)からは学生と教員60人が被災地を訪れた。そのうちの1人は「被災者の話に耳を傾けなければ。自分に何が起こったのか彼らは語る必要がある」と話す。
深セン(Shenzhen)市からのボランティアが配った大きな画用紙に、子どもたちはきれいな家を描いた。子どもたちが今一番欲しがっているものだ。上海からボランティアで被災地を訪れた心理学教授は「心理学的な手助けができればと思って来た」と話す。「中国にはこういった災害現場に対処するだけの経験がない」(c)AFP
綿竹(Mianzhu)市郊外のスタジアムでは、中国当局の準備した青いテントが、山あいの地域から避難した7000人を超える被災者の新しい家となっている。道の反対側では、ブルドーザーが整地を行い、救助活動で訪れる兵士用テントの準備が進んでいる。
ある被災者の男性(25)は、この避難所で姉妹を見つけることはできたが、両親・祖父母など他の家族の安否は分からないと話す。家も仕事もなく、ここで面倒をみてもらえるのはありがたい、と話す一方で、住んでいた地域は地震で壊滅的な被害をうけ、先のことを考えるとどこか別の場所で仕事を探さなければならないだろうと話す。
死亡者が4万人を超えた四川(Sichuan)省では、多くの被災者が同じ状況にある。被災地となった地方では保険というものがほとんど知られておらず、被災者の多くが一日一日を何とか生きている。
谷間にあるQingping村から避難してきた被災者もいる。地震に続いた土石流で、住民は軍の救助部隊が到着するまで「陸の孤島」となった村に4日間閉じ込められた。
貧しい被災者たちの多くが家や町を建て直したいと考えており、被災地入りした胡錦涛(Hu Jintao)国家主席も支援を約束した。しかし、それがいつどのように実現するのか誰にも分からない。「私たちには何もない。村の再建に必要な金をどうやって手に入れたらいいのか分からない」とQingping村出身の被災者(52)は話す。「政府に頼るしかない」
被災者にとって最も差し迫った問題は子どもたちの教育だ。今週、被災地の数校が震災後初めて授業を再開したが、倒壊した学校は7000にも上っている。政府は建築基準の調査を行うと約束したが、16歳の高校生は「すぐに学校に戻れると言われたが具体的な話は何もない」と話す。地震の影響を受けなかった学校や大学は、数週間後に大学入試が迫っている最終学年の生徒や学生だけを受け入れている。
中国各地からは、若者を中心としたボランティアが被災者支援のため被災地入りした。四川省の省都、成都(Chengdu)にある西南財経大学(Southwestern University of Finance and Economics)からは学生と教員60人が被災地を訪れた。そのうちの1人は「被災者の話に耳を傾けなければ。自分に何が起こったのか彼らは語る必要がある」と話す。
深セン(Shenzhen)市からのボランティアが配った大きな画用紙に、子どもたちはきれいな家を描いた。子どもたちが今一番欲しがっているものだ。上海からボランティアで被災地を訪れた心理学教授は「心理学的な手助けができればと思って来た」と話す。「中国にはこういった災害現場に対処するだけの経験がない」(c)AFP