【5月18日 AFP】四川大地震の被災地で、20代前半の中国人の若者8人の一団が、けが人の手当などを申し出ながら山間部の農家を一軒ずつ訪れている。中国のために活動をしていると彼らは口をそろえる。

 12日の大地震で倒壊し、がれきの山と化した民家の前で彼らは「けが人はいますか」と叫んだ。姿を現した老女は足を負傷していた。若者2人が消毒剤と包帯で応急手当を行った。

 法律を学んでいるというLai Keyuさん(25)は「われわれ中国人は団結して困った人たちを助ける。こうして5000年の歴史を築いてきた」と語る。

 男女4人ずつの若者8人は四川(Sichuan)省の成都(Chengdu)に住む大学生や専門学校の学生たち。

 北京五輪開幕を控え愛国心が高揚するなか、四川大地震は中国国内で空前の義援とボランティア精神の旋風を巻き起こしている。

 すでに数百万人が慈善活動を通じて衣料品の寄付や、募金や献血を行なった。そして一部は被災地に向かった。

 大規模な団体活動を封じる政策を進めてきた中国で、民衆が自発的に行動を行うことは前例のないことだ。

 慈善活動は年齢や階層を超えて中国人を団結させた。人々に共通するのは「愛国心」だ。

 8人のボランティアの1人で、四川大学(Sichuan University)に在籍するJiang Yiboさんは、「私たちは中国を愛している」と力強く語った。(c)AFP/Peter Harmsen