【4月29日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)近郊のシエラマドレ(Sierra Madre)の北で発生した山火事は、28日までに約2平方キロを焼き、400世帯1000人以上が避難する事態となっている。現場一帯の学校も休校となった。夏季には山火事が多発する同地で、今年初めての大規模な山火事となった。

 現場には消防隊員500人が出動して、低木に覆われた山腹の消火活動を続けている。ヘリコプターや航空機から放水や消化剤を散布するなど、空からの消火活動も行っている。

 これまでのところ死者や家屋の焼失などは報告されていないが、ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙によると、消防士2人が軽傷を負ったという。

 シエラマドレはロサンゼルスの中心部から25キロの丘陵地帯で、日帰りの行楽地としても人気がある。山火事発生時に同地で結婚式に参加していた約50人もヘリコプターで救助された。

 地元当局の話では、26日に発生した山火事は27日夜までに約3割が消し止められたが、完全に鎮火するまでには4日から1週間程度かかる見通しだという。避難勧告が解除できる見通しはたっておらず、安全のため山火事の拡大が予測される地域への立ち入りを禁じる必要があるとしている。南からの乾燥した風にあおられ、火の手がロサンゼルス近郊の住宅地に拡大する恐れも懸念されている。

カリフォルニア州南部は、乾燥した気候や「サンタアナ(Santa Ana)」と呼ばれる強風に加え、郊外や森林地帯にまで住宅が急速に進出していることなどから、近年になって大規模な山火事が頻発。2007年10月には住宅2000棟を焼失し、死者7人、64万人が避難する同州史上最悪の山火事が発生した。この時の損害総額は10億ドル(約1000億円)規模に上った。(c)AFP/Paula Bustamante