【4月18日 AFP】アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)北部で17日、大規模な野火が発生した。ブエノスアイレス市内は煙に包まれ、ブエノスアイレス周辺の高速道路や港湾施設、空港などが一時閉鎖される事態となった。

 煙はブエノスアイレスからラプラタ(La Plata)川を隔て223キロ東のウルグアイの首都モンテビデオ(Montevideo)にまで達し、3か所の空港で運行に遅れが出た。消防署には火の手が近くに迫っているのか問い合わせる市民からの電話が殺到した。

 アルゼンチンのフロレンシオ・ランダソ(Florencio Randazzo)内相によると、ブエノスアイレス北部のパラナ(Parana)川デルタ地帯で、ブリュッセル(Brussels)やケープタウン(Cape Town)、テヘラン(Tehran)などの都市の面積に匹敵する約7万ヘクタールが焼けたという。消防当局は航空機も投入し、同時に300か所で消火作業を行った。

 ランダソ内相は、安く牧草地を再生させるためにブエノスアイレス北部の牧場主らが草原に火を放ったと非難した。一方、アルゼンチン国立農牧技術院(National Institute of Farming and Livestock TechnologyINTA)は、農民が同国の主要輸出産品で利幅の大きい大豆を作付けする農地にするため、専門家の助言を受けず勝手に火を放ったとして非難している。

 環境破壊と健康被害を引き起こした容疑で捜査が進められており、アルゼンチンの警察当局は放火に関係した疑いのある2人を逮捕した。(c)AFP