【1月31日 AFP】数十年ぶりの豪雪などで交通に支障が出ている中国南部の主要駅で、鉄道の運行停止のために足止めされている旧正月の帰省客らに対し、当局が「気晴らし」に無料の映画上映や「新年パーティー」開催を申し出たが、乗客からはそれよりも「早く帰りたい」との不満の声があがっている。

 中国では次週、年間最長の休暇期間である旧正月を迎えるが、広東省広州(Guangzhou)市の中心駅では大勢の帰省客が凍てつく天候の中、立ち往生している。

 政府管理下の労働組合は旧正月の期間中、帰省できなかった労働者3000人のために映画50本の無料上映やパーティーの開催を申し出た。しかし政府の「気にかけている」というジェスチャーは不評に終わっている。

 広州駅前に立っていた男性(32)は「パーティーも映画上映もいらない。いつもどおり、恩恵を受けるのは少数の人だけだ」と批判する。「わたしたちが求めているのは高い食事や宴会や映画ではなく、故郷に帰ることだ」

 コンピューター店の店長をしているという男性はこの数日間、家族の待つ湖南(Hubei)省にどうにかして帰省しようと奮闘しているが、かなっていない。

 前週を通じ、中国は過去数十年で最悪の豪雪に見舞われた。国内交通が最も混み合う旧正月の帰省ラッシュと重なり、史上最悪の交通まひ状態となっている。(c)AFP/Stephanie Wong