【11月27日 AFP】23日に南極海で氷山に衝突して沈没した客船「MVエクスプローラー(MV Explorer)」に関して、客船内に残されている大量の燃料が南極海やその沿岸地域に環境破壊をもたらす懸念が高まり、チリの専門家らが26日、調査を進めている。

 リベリア船籍の同船は南極海で氷山に衝突、乗員乗客154人全員が救命ボートに避難したあと沈没した。全員無事に救助され、チリに送り届けられ後にそれぞれ帰国の途についている。

 同船は現在、燃料タンクにディーゼル油18万5000リットルを蓄えたまま、ドレーク海峡(Drake Passage)の海底1500メートルに沈んでいる。チリの国家環境委員会(National Environment CommissionConama)によると、船は引揚げ困難な場所にあり、燃料を抜き取ったりタンク自体を永久的に封鎖したりするような作業は難しいという。

 専門家は、同船の燃料タンクの亀裂から燃料が徐々に流出することを懸念している。同船の沈没後、すでに長さ180メートル、幅20メートルにわたって燃料が海上に流出している。(c)AFP