【11月14日 AFP】中国では今年、各地で大規模な洪水が相次いだが、同国最長の長江(揚子江、Yangtze River)流域での雨期(5-10月)期間中の洪水など自然災害による犠牲者の数は、600人に達した。

 13日の国営新華社(Xinhua)通信の報道によると、長江流域で災害の影響を受けた人の数は900万人におよび、家屋44万棟が破壊された。

 長江流域水資源保護局(Yangtze River Water Resources Commission)では、経済への直接的損失は430億元(約6440億円)に上るとしている。同局によれば、長江流域自体では深刻な洪水は発生しなかったが、異常気象が立て続きに発生したことで周辺地域に被害が出ている。

 同流域では毎年、洪水に悩まされてきた。中流に建設された世界最大の水力発電用ダム、三峡ダム(Three Gorges Dam)は水量調整の役割も担っている。

 保護局の報告では「その他の災害」は何かを特定していないが、当局では河岸の地すべりが頻繁に発生していると指摘しており、原因は三峡ダムの背後の貯水池の水位の上昇だと考えられている。

 また、この夏、中国全土で洪水その他の異常気象で亡くなった人の数は少なくとも1100人に上るとも報告されている。国内数か所では、こうした気象現象は過去の気象記録を更新するほどの豪雨にも見舞われた。地球温暖化による影響だとみる気象学者らもいる。(c)AFP