【11月9日 AFP】(写真追加)北海(North Sea)で発生した大規模な嵐のため、ノルウェー沖の油田施設やオランダ・ロッテルダム(Rotterdam)港が閉鎖された。英気象当局によると、過去20年で最悪の嵐だという。

 ロッテルダムの港湾当局は、1990年代に設置された巨大防波堤を今回初めて閉鎖した。少なくとも日本時間9日午後2時までは閉鎖を続けるとしている。また、国土の3分の1が海面下の低地にあるオランダ当局は、31年ぶりに全土で護岸の監視体制を強化した。

 英国では、北海に面した英東部各地に洪水警報が相次いで発令され、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相が政府の緊急対策会議を招集した。

 英気象庁はスコットランド(Scotland)北部のオークニー(Orkney)諸島やシェトランド(Shetland)諸島で最大風速41メートルを予報、スコットランド南部でも高潮や強風の被害が出る危険を指摘した。

 嵐は9日に最も勢力が強くなり、完全に収まるまでには2日かかるとみられている。

 洪水警報は、ドイツのエルベ川(Elbe)、エムス川(Ems)周辺でも発令されている。

 この嵐によって、ノルウェー沖の北海油田では英石油大手BPと米石油大手コノコフィリップス(ConocoPhillips)が施設を閉鎖、作業員らを避難させた。この措置による被害は1日当たりの産出量の10%、22万バレルに上るとされる。

 原油価格が1バレル95-96ドルという記録的な高値で推移している現在、閉鎖による原油高騰が懸念される。(c)AFP/Prashant Rao