【10月24日 AFP】米カリフォルニア(California)州南部で発生した大規模な山火事の原因について専門家は、同地域の気候や地形と、人口増加による都市化が複合して招かれた災害だとの見方を示した。

 今回の山火事では各地で火災が同時発生し、消防隊員数千人が動員され、住民数十万人に避難命令が出された。専門家は、数か月間続いた高温乾燥気候と、同州の都市化が相まって発生した可能性があると分析している。

 南カリフォルニア大学(University of Southern California)のトラビス・ロングコア(Travis Longcore)准教授(地理学)によると、起伏の多い地形、湿度の低さ、降雨量の少なさといった同地域の特徴には、山火事が発生する条件が完ぺきに揃っているという。

 ロングコア准教授は「このあたりは地中海性気候で夏は高温乾燥。ロサンゼルスでは最低雨量を記録した」と説明。「こうした特徴に加え、山脈が広範な地域に広がっている。この時期になると米国西部一帯に形成される高気圧によって、大気が山脈間を吹き抜けるようになる。そこに湿度10%台という極端な乾燥が重なり、定期的に自然発火するような自然条件を作る」という。

 米農務省森林局のロビン・プリンス(Robin Prince)報道官は、乾燥したカリフォルニアの火災現場で消火活動の最大の妨げとなるのは風だと説明する。強風で延焼が速まり、消火が追いつかない状況だという。

 さらに「Center for Sustainable Cities(持続可能な都市センター)」の都市環境研究におけるディレクターでもあるロングコア准教授は、カリフォルニアの絶え間ない都市化が、山火事の発生条件を整えた要因の一つだと指摘する。

 カリフォルニア州では経済中心地としての魅力や年間300日が晴天という好天候に惹かれて人口流入が続き、州人口は2000年の3380万人から2007年には3770万人に増加している。

「カリフォルニアは住むには素晴らしいところだが、このような災害に見舞われることもある」と同准教授は語った。(c)AFP/Tangi Quemener