【9月7日 AFP】(9月8日一部更新)7日未明に東京を直撃した強い台風9号は、同日午後遅く、東京の北約530キロの位置を勢力を弱めながら北上を続けている。台風の速度が遅く、強い雨や風が長時間続くと予想されることから、気象庁は土砂災害や河川の増水に対し警戒を呼びかけている。

 関東甲信越地方は強い雨と風に見舞われた。

 報道によると、これまでに2人が死亡、数十人が行方不明となっている。長野県で倒木を片付けていた70代の男性が倒れてきた別の木で頭を強打し死亡。千葉県では総武線の窓ガラスが割れ乗客7人が負傷した。静岡県では波の直撃を受けた車の窓ガラスが割れ、乗っていた男性2人が軽傷。栃木県日光市では強風でホテルの窓ガラスが割れ小学生6人が負傷した。また、福井県ではダムの建設現場で作業中の50歳の男性が土砂崩れで生き埋めとなり死亡。そのほか、93歳の女性が強風にあおられて転倒し両足を骨折、77歳の男性が強風にあおられて転倒し軽傷を負うなど、NHKのまとめによると負傷者は47人に上った。

 また東京都と神奈川県の間の多摩川が増水し、ヘリコプターやボートが出動して、中州に取り残されたり流されたりするなどした十数人の救出作業が行われた。少なくとも2人が行方不明となっている。午後には水位も下がり、避難勧告が解除された。

 東京消防庁によると1-5人を含む14件の通報があったという。

 また強風で電線が切断され、12県のおよそ8万世帯で停電が発生した。山梨県と群馬県では数十世帯が避難勧告を受けた。

 東京国際(羽田)空港など、空の便も200便以上が欠航。新幹線など鉄道のダイヤも乱れ、海沿いでは高波のために高速道路が一部不通となった。(c)AFP/Miwa Suzuki、Kimiko de Freytas-Tamura