【8月26日 AFP】ギリシャ南部のペロポネソス半島(Peloponnese peninsula)で起きた山火事は26日も火勢が衰えず、犠牲者は少なくとも51人に達した。現場からの情報では、依然として危機的な状況が続いている。

 警察によると、ペロポネソス中部のメガロポリ(Megalopoli)近郊で新たに焼け焦げた2遺体が見つかった。24日以降、ほとんどの犠牲者は半島西部のザチャロ(Zacharo)地域で発見され、この中には子ども7人が含まれる。ペロポネソスとユービア(Euboea)にある全40ほどの村では住民が避難し、いつでも新たな避難命令を出す態勢にあるという。

 現在、消防隊員1000人以上、応援の兵士425人、放水用の航空機16機が出動し消火に当たっているが、被害は数千ヘクタールに及び、住宅やオリーブ畑などが焼失した。正確な数字は発表されていない。

 被害に遭ったArtemidaで夏を過ごすために戻っていたVassilis Viglasさん(65)は「大惨事だ。何世代にもわたって築いてきたものが煙と消えてしまった」と肩を落とした。

 しかし26日になって、延焼の原因となった強風がある程度収まり、欧州諸国からは支援の航空機や応援部隊も到着している。

 ギリシャでは9月16日に総選挙を控えているが、野党も今回の事態に対する政府の対応についての批判は手控えている。(c)AFP