過去10年で最悪、北朝鮮が洪水被害の詳細を発表
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【8月16日 AFP】過去10年で最悪の洪水被害に見舞われている北朝鮮は16日、最新の被災状況を明らかにした。影響を受けた国民は30万人に上り、被害は作物の損失や停電、幹線道路の崩壊など広範囲に及んでいる。困窮にあえぐ同国の食糧不足はさらに加速される恐れがある。
同国内では最近の洪水で少なくとも214人が死亡、80人が行方不明となっており、家屋3万戸が破壊され、6万3300世帯が住居を失ったという。公共の建物約800棟、橋や鉄道路線540か所などにも被害が出ているという。
韓国の聨合(Yonhap)ニュースが北朝鮮国営朝鮮中央通信(Korean Central News Agency、KCNA)の報道として伝えた内容によると、首都平壌(Pyongyang)と東部の都市、元山(Wonsan)を結ぶ幹線道路など多くの主要道路が著しく損壊した。復旧には朝鮮人民軍が動員されている。また冠水、土砂災害や土壌の流失などで被害を受けた穀物は、年間収穫量の1割以上に上るという。
一方、黄海北道(North Hwanghae Province)および平安南道(South Pyongan Province)の発電所は浸水で破壊された。平壌ラジオでのKim Sung-Gwan副電力工業相の談話によると、これにより平壌の一部で停電が発生し、バスや地下鉄の運行にも影響が出ている。
被害状況に関する正確な数字は、北朝鮮政府が国際赤十字赤新月社連盟(International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies)のTerje Lysholm現地臨時代表に伝えたという。通常は国際社会に対して閉鎖的な北朝鮮が、国内状況を詳細に公表するのは異例のことだ。(c)AFP