【8月14日 AFP】中国東部上海(Shanghai)に建設中の超高層複合ビル「上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center)」で14日午後、火災が発生した。直ちに消火活動が行われ、負傷者などは出なかった。地元消防局が明らかにした。

 現時点で、上海市当局関係者や建設プロジェクト代表らは、火災発生原因などについて詳細を明らかにしていない。

 国内の有名ウェブサイト上には、同ビルの最上階付近を煙が覆う写真が公開されたが、直ちに削除されたという。

 国内第1位の高さを誇る101階建て(492メートル)の同ビルは、総工費1050億円を投じ、2008年初頭の完成を目指している。ただ、1997年の着工後、度重なり計画が頓挫してきた。着工直後の1997-98年にはアジア通貨危機などに直面し、計画が一時棚上げ。その後、6つ星ホテル、小売店、博物館、観覧デッキ、70階のオフィススペースを含む大規模プロジェクトへの計画見直しを経て、2003年に再始動した。しかし、今回の火災発生により、さらに完成が遅れる可能性も出てきている。
 
 計画の遅延は、「高さ世界第1位」の目標達成をも不可能にした。現在の世界第1位は、台湾の首都台北(Taipei)にある高さ508メートルの台北101(Taipei 101)。さらに2008年には、アラブ首長国連邦のドバイ(Dubai)で建設中の高さ800メートルを誇るブルジュ・ドバイ(Burj Dubai)が完成し、その座を奪うことになる。(c)AFP