【8月8日 AFP】森林火災が相次ぐイタリア南部で7日、新たな火災が発生した。関係当局は、この夏だけで6人の死者を出した一連の火災は組織的な犯行によるものとの見方を強めている。

 南部カンパーニア(Campania)の警察当局は、6日に消防機関のヘリコプターが貯水タンクに水を補給するためナポリ(Naples)北部のボルトゥルノ川(Volturno River)上空を飛行中に銃撃されたことを受け捜査を開始。同日カンパーニアでは、救助部隊とオペレーションセンターをつなぐケーブルが切断される事件も発生している。

 農業当局者は、ANSAAgenzia Nazionale Stampa Associata)に対し「『犯罪の意図』が感じられるため、警察当局に『利益を得るためには手段を問わない放火魔や犯罪組織』への早急な対応を要請した」と語った。

 アルフォンソ・ペコラロスカーニオ(Alfonso Pecoraro Scanio)環境相は7日、ニュース専門チャンネルSky TG24の番組で「自然公園やイタリアの多くの地域に対する暴行」 を非難。同環境相はさらに、「火を放った人間は、精神的に病んでいるわけでもなければ、放火魔でもない」と語り、「犯罪組織や不動産投棄家と連携したギャング」による犯行との見方を示した。

 イタリア南部の一連の火災は、カンパーニアのほか、カラブリア(Calabria)でも発生しており、世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)によると、保護地域約9000ヘクタールが被害にあったという。WWFは、火災の大半は放火によるものと見ており、「ホテルや別荘、牧場をつくる際に障害となる樹木などの自然の障害物を取り除くために火が放たれることが多い」と述べる。(c)AFP