【8月4日 AFP】モンスーン(季節風)の影響による大雨で大規模な洪水や地滑りが発生している南アジア各地で4日、さらに雨が降り続き被害が拡大している。

 被害規模はここ数十年で最も深刻で、これまでに1400人が死亡、2500万人近くが避難を余儀なくされた。特にインド北部、バングラデシュ、ネパールの被害が大きい。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によるとインドでは、3日夜までに政府の推定による死者数は138地区で1103人に達した。

 被害が最も大きかったのは、北部のウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州や東部のビハール(Bihar)州、北東部のアッサム(Assam)州など。PTIPress Trust of India)通信が4日伝えたところによると、ビハール州だけで1000万人が被災した

 アッサム州では550万人が避難。ウッタルプラデシュ州では140万人が被災。予報では強い雨は一日中降り続く見通し。

 バングラデシュでは、国土の3分の1以上が浸水した2004年よりも状況が深刻だという。食糧・災害対策省によると、一晩で少なくとも16人が死亡し、大雨による死亡者の合計は207人となった。

 洪水で避難を余儀なくされたり、置き去りにされた被災者は750万人、洪水で流されたり、壊れたりした住宅は8万9000棟にのぼる。約25万5000人が政府の用意した避難所に移ったと見られている。政府は、軍と官民ボランティア数千人を動員し、乾燥食品や浄水錠剤などの援助物資の配給に当たっているが、ボートが不足しているため作業は難航している。

 ネパール内務省によると、洪水と地滑りによる死者は4日までに91人に達した。その大半はインドとの南部国境のタライ(Terai)地方で発生した。

 モンスーンは毎年6月から9月にかけて南アジア各地に洪水をもたらすが、今年は異例の被害規模で特に北部と東部で大きな被害を受けている。(c)AFP/Tripti Lahiri