【6月10日 AFP】激しい暴風雨に襲われているオーストラリアでは、9日までに6人の死者、と2人の行方不明者が確認されている。この暴風雨は東海岸を直撃、各地で洪水を引き起こし、また20万世帯にも及ぶ停電や沿岸部のボートなどにも大きな被害を出している。

 死亡した6人のうち2人は30代のカップルで、走行中の車両が橋の上で濁流に呑み込まれたと見られており、また高速道路が崩壊した際に巻き添えとなったと家族5人のうち、4人の遺体が捜索隊によって発見されている。

 シドニー(Sydney)北部のハンター・バレー(Hunter Valley)やセントラル・コースト(Central Coast)地区は、2日にわたる激しい暴風と集中豪雨の打撃により、災害激甚地(Disaster zones)に指定された。

 この悪天候で座礁した船は、シドニー・ハーバーに停泊中の船12艘以上と、ニューカッスル(Newcastle)で足止めとなっていた石炭運搬船Pasha Bulkerなど。Pasha Bulkerは、破損により石油燃料が海水に流出することが心配されたが、海洋汚染を引き起こす事態は免れたと見られている。

 電力会社、エナジー・オーストラリア(Energy Australia)は、20万世帯に及ぶ停電の復旧の見込みについて、「次週後半」としている。同社ゼネラル・マネジャーの Geoff Lilliss 氏は、「これまでに最も猛威をふるった暴風雨で、配電施設は、過去30年以上で最も深刻なダメージを受けた」と述べる。

 なお、気象局(Bureau of Meteorology)の発表によると、一部の地域では降水量が300ミリにものぼり、瞬間最大風速は時速120キロを記録した。(c)AFP