【9月22日 AFP】(一部更新、写真追加)中国東部・山東(Shandong)省済南(Jinan)市の中級人民法院(Intermediate People's Court、地裁)は22日、元重慶(Chongqing)市共産党委員会書記で昨年失脚し、公金横領や職権乱用などの罪で起訴された薄熙来(Bo Xilai)被告に無期懲役などの判決を言い渡した。

 裁判所は、「薄熙来被告に、収賄罪で無期懲役のほか、政治的権利の終身剥奪、全個人財産の没収を言い渡した」と発表した。薄被告は総額2040万元(約3億3100万円)の賄賂を受け取っていたという。薄被告にはこれとは別に、横領で懲役15年、職権乱用で懲役7年が言い渡された。

 汚職は党の存在そのものを脅かすと述べている習近平(Xi Jinping)国家主席が率いる中国の新指導部は、汚職撲滅に取り組んでいる姿を見せようとしている。

 しかし済南市で一般市民に取材したところ、政府高官に下される判決は純粋な裁判の結果というよりも、政治闘争の結果だと言う人が多かった。引退した元運転手(63)は、「薄は普通の中国人が尊敬するタイプの指導者だ。重慶で良い仕事をした」と語った。「彼が犯した過ちは政治的なものだ。実際に汚職をしていたかどうかは関係ない。薄は刑務所に行くだろうね」

 中年の市場露店主は、「(薄被告は)政治闘争の犠牲になった。彼が汚職をしていたのかどうか私には分からない。今どき汚職をしてないなんてどんな役人だい?」と語った。(c)AFP/Tom HANCOCK