【9月19日 AFP】昨年2月に米歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さん(当時48)が急逝した際、現場となったホテルの部屋に到着した警察官が、遺体にかけられていた覆いをめくって「すごい、いまだにいい女だな」などといった「不適切な発言」をした疑いが、同僚の警察官により掛けられている。

 ヒューストンさんは、昨年の米グラミー賞(Grammy Awards)授賞式前日の2月11日に、ビバリー・ヒルトンホテル(Beverly Hilton Hotel)の部屋の浴室で遺体となって発見された。検視局は死因について、コカインを摂取した上での溺死事故と結論付けた。

 問題の発言をしたとされるのは、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)市警のテリー・ナトール(Terry Nutall)巡査部長。米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が17日に掲載した裁判関連文書によると、同僚だったブライアン・ウィアー(Brian Weir)巡査部長は、このときのナトール巡査部長の行動や発言を上司に報告し問題提起したところ、特別機動隊(SWAT)からの除名や残業代支払いの拒否、嫌がらせなどの「報復」を市や市警察から受けたとして、11日にロサンゼルス(Los Angeles)の裁判所に訴えを起こした。

 ウィアー氏によると、ナトール巡査部長は正当な理由がないにもかかわらず、ヒューストンさんの「遺体のそばにひざをついて身を乗り出し、遺体にかけられていたシートなどの覆いを、遺体の陰部よりも下の位置まで取り除いた」という。また、遺体に触れられるほど近づき、「この年の、この状態の女にしては魅力的だ」「すごい、いまだにいい女だな。だろう?」といった発言をしたともされる。

 ビバリーヒルズ市警のスポークスマンは、ウィアー氏の主張するような「報復」が行われた事実はないと述べた上で、ナトール巡査部長には遺体を目で確認する資格があったと主張。「なんらかの不適切な言動があったとの認識は、今のところ持っていない」と述べた。(c)AFP