【9月5日 AFP】中国当局に汚職の疑いで身柄を拘束され、勾留中だった4月に死亡した中国共産党員が、自白を強要された際に裸にされ、水を張ったバスタブに押さえつけられて溺死したとみられることが分かった。中国国営メディアが4日、報じた。

 中国東部・温州(Wenzhou)市で国営企業の主任技術者を務めていた於其一(Yu Qiyi)さん(当時42)は、土地取引をめぐる汚職の疑いで3月上旬から身柄を拘束されていた。

 国営紙・京華時報(Beijing Times)が伝えた検察当局の裁判所提出文書によると、取り調べで汚職調査官が満足する返答をしなかった於さんは、「氷水」が張られたバスタブに数回にわたり押さえつけられた。調査官らは、於さんがもがくのをやめるまでこれを続けたとされる。於さんは病院に搬送され、数時間後に死亡が確認された。

 同紙が写真を掲載した検視報告書によると、液体を飲むよう強要されたことが、肺の機能不全と死につながったことが分かった。また、遺体には複数のあざがあったと遺族は話しているという。

 同紙によると、於さんを尋問した調査官6人(うち5人は中国共産党の規律調査官)は、故意傷害の疑いで訴追され、裁判にかけられる予定だ。

 中国では、汚職調査を受けていた党員が不審死する事件が6月にも起きている。(c)AFP