【9月1日 AFP】昨年12月にインドの首都ニューデリー(New Delhi)で女子学生(当時23)がバスの中で男6人から性的暴行を受け死亡した事件で、インドの少年裁判所は31日、当時17歳の少年だった被告に矯正施設に3年間収容する判決を言い渡した。この判決を聞いた被害者の家族は、「女性にとってインドは安全ではない」とする声明を発表した。

 被告らへの判決が先延ばしされてきたこの事件の裁判で判決が出たのは初めて。判決を聞いた被害者家族は怒りと動揺の色をにじませ、少年を絞首刑にするよう改めて求めた。国内では、未成年の犯罪者に対して刑罰が軽すぎるのではないかとの議論が再燃している。

 法律上の理由で名前を明かせない被害者の父親は、裁判所前でニュース専門局NDTVの取材を受け、「インドでは女の子として生まれることが犯罪だ。この国では女の子は安全ではない」と怒りのコメントを出し、被告に対してより重い刑罰が科されるようにこれからも戦っていく決意を明らかにした。

 理学療法士になるための勉強をしていた被害者の女性は、2012年12月16日の夜、移動中のバスの中で男6人から性的暴行と鉄パイプによる暴行を受け、一緒にいた男性も激しい暴行を受けた。2人はその後、血まみれのまま車外に放り出され、女性は内臓損傷のため約2週間後に死亡した。

 当時17歳だった被告は少年として審理され、少年犯罪としては最高刑である3年間の矯正施設収容を言い渡された。この期間には未決勾留日数も算入されるとみられる。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY