【8月28日 AFP】中国当局は27日、個人情報を違法に収集した容疑で、詐欺調査などを行うコンサルティング会社の外国人役員2人を訴追したと発表した。国営の中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)はこの発表に合わせ、容疑者2人の姿を放映した。

 中国公安省の声明によると、英国人のピーター・ハンフリー(Peter Humphrey)容疑者と、米国籍の妻、虞英曾(Yu Yingzeng)容疑者が、上海(Shanghai)の警察に逮捕された。両容疑者には、違法収集した個人情報を、顧客に「高い料金で」提供していた疑いが掛けられているという。

 両容疑者の逮捕は、中国当局に贈賄を行った疑いで捜査対象となっている英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKlineGSK)と関連があるのではとの臆測も出ているが、公安省の声明はその点には触れていない。

 中国中央テレビの報道の中でハンフリー容疑者は「この件を深く後悔しており、中国政府に謝罪する」と語った。また虞英曾容疑者が国営ラジオ局に語ったところでは、ハンフリー容疑者が上海で創設したコンサルティング会社「チャイナホワイズ(ChinaWhys)」は、製造業や金融業、法律事務所などの多国籍企業を顧客としていた。

 ハンフリー容疑者は詐欺調査の経験が豊富なロイター(Reuters)通信の元ジャーナリストで、虞英曾容疑者はチャイナホワイズの役員を務めていた。

 警察によると、同社は中国市民の住所や家族構成、渡航歴、不動産や自動車の保有状況といった情報を違法に収集したり、買収していたとされる。(c)AFP