【8月23日 AFP】(写真追加)内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」に膨大な米軍機密情報を漏えいした罪で禁錮35年の判決を受けた米陸軍上等兵のブラッドリー・マニング(Bradley Manning)被告(25)は22日、今後は自分を女性として認識してほしいと訴え、性別を女性に変更するための治療を受けることを希望すると発表した。

 「私はチェルシー・マニング(Chelsea Manning)、女性です」。マニング被告は、刑が確定した翌日の同日、NBCテレビを通じて発表した声明で、こう述べた。「私の人生が次の段階へ進もうとしている今、皆に本当の私を知ってほしい」としたマニング被告は、「私が幼少時代から今までずっと感じてきた気持ちに従い、できるだけ早くホルモン療法を受け始めたい」と続けた。さらに、「今日から私のことを新しい名前で呼び、女性代名詞を使ってほしい」という希望も示した。

 デービッド・クームス(David Coombs)弁護士によると、被告は刑務所内でホルモン療法を受けられるよう米政府に申し立てる意向だが、性別適合手術も希望するかどうかは分からないという。一方、AFPの取材に応じた米軍報道官は、マニング被告を女性代名詞で呼び、「彼女にホルモン療法や性別適合手術を提供する仕組みは、現在の米軍には整っていない」と述べた。

 同弁護士によると、マニング被告は、審理に悪影響が及ぶことのないよう、量刑が言い渡されるまでこの衝撃的な発表を控えてきた。裁判の中では、同被告がイラク派遣時に同性愛指向と性別について苦悩し、上官にそのストレスを訴えていたことが明らかにされていた。

 同被告は女性刑務所への移送を求めるためにこの要望を行ったわけではない、と同弁護士は話している。「最終的な目的は、自分の体に違和感を持たないようになること、そして、彼女がこれまでなる機会を決して与えられなかった人物になる、ということだ」(c)AFP/Chantal VALERY