【8月19日 AFP】メキシコの麻薬組織「湾岸カルテル(Gulf Cartel)」のリーダー、マリオ・アルマンド・ラミレス・トレビノ(Mario Armando Ramirez Trevino、51、推定)容疑者が17日、米国との国境の都市レイノサ(Reynosa)近くで軍隊に逮捕され、同日夜、組織犯罪捜査官に引き渡された。

 メキシコ連邦検察庁の広報担当官によると、同容疑者は翌18日には取り調べのため首都メキシコ市(Mexico City)に身柄を移された。

 メキシコでは7月15日にも別の麻薬組織「セタス(Zetas)」のリーダー、ミゲル・アンヘル・トレビノ(Miguel Angel Trevino)容疑者が逮捕されており、今回のラミレス・トレビノ容疑者の身柄拘束は、長年同国を恐怖に陥れてきた犯罪シンジケートに対し、ここ1か月余の間で2つ目の大きな打撃となった。

 昨年12月に就任したエンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は、2006年以来7万人を超える死者を出した麻薬関連の暴力事件を減らすと公約してきた。

 湾岸カルテルは1930年代の禁酒時代に酒類密輸組織として生まれ、メキシコで最も古い犯罪集団の1つ。ラミレス・トレビノ容疑者は、昨年9月に逮捕されたホルヘ・エドワルド・カスティージャ(Jorge Eduardo Costilla)、通称「エルコス(El Coss)」、容疑者の後をついでリーダーとなった人物。

 ラミレス・トレビノ容疑者は、米国への麻薬の密輸に関連した犯罪で同国でも2008年に起訴されており、米国は同容疑者の逮捕につながる情報に対し500万ドル(約4億9000万ドル)の懸賞金を懸けていた。(c)AFP/Leticia PINEDA