19年逃亡の伊マフィア首領、英国で逮捕 旅行会社経営の「最高の隣人」
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【8月9日 AFP】禁錮刑判決を受けながら19年にわたって逃亡を続けていた伊シチリア・マフィアの首領が今週、英ロンドン(London)で逮捕された。しかし、逮捕状に不備があり釈放される可能性が出ている。
ロンドン警視庁(Scotland Yard)の発表によると、ドメニコ・ランカドーレ(Domenico Rancadore)被告(64)は7日、欧州逮捕状に基づいて身柄を拘束された。
ランカドーレ被告はシチリア(Sicily)のマフィア組織コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)の最高幹部で、組織内では「先生(u profissuri)」の異名で通っていた。逮捕状によると、シチリア島のパレルモ(Palermo)を拠点に1987~95年にマフィア活動に従事したとして、イタリアで本人不在のまま禁錮7年の判決を受け、イタリア警察当局が最も危険な犯罪者の1人として行方を追っていた。
だが、ロンドン・ウェストミンスター(Westminster)の治安判事裁判所で8日に行われた審理で、クエンティン・パーディー(Quentin Purdy)判事は欧州逮捕状の有効性に疑義を表明。ランカドーレ被告が釈放される可能性があると指摘した。
ランカドーレ被告は、英国人の妻と共にロンドン郊外のアクスブリッジ(Uxbridge)で暮らし、旅行代理店を経営していた。地元では「マーク・スキナー(Marc Skinner)」と名乗っており、妻との間に2人の子どもも設けていたという。
近所に住む女性は、「知り合って何年にもなり、子育てだって互いに協力してきた。これ以上ないほど最高の隣人だったのに」と衝撃を語っている。(c)AFP