【7月29日 AFP】フランス南部のリゾート地カンヌ(Cannes)で28日、高級ホテルで開催されていた宝石展示会に武装した強盗が押し入り、推定4000万ユーロ(約52億円)相当の宝石を強奪して逃走する事件が起きた。同国史上2番目に大きな被害額となる可能性がある。

 事件が起きたのは、国際映画祭(Cannes Film Festival)で有名なカンヌの海沿い、表通りに面したインターコンチネンタル・カールトン(InterContinental Carlton)ホテル。地元当局によると、午前11時半(日本時間午後6時半)ごろ、高級ジュエリーブランド「レヴィエフ(Leviev)」主催の展示会「Extraordinary Diamonds(たぐいまれなダイヤモンド)」を狙って、拳銃1丁で武装した男1人がホテル正面玄関から警備をすり抜けて会場に侵入した。男は野球帽をかぶり、顔をバンダナかスカーフのようなもので隠していたという。

 男は宝石や高級時計などが入ったブリーフケース1つを持って逃走した。地元検察当局によると、犯行は「一瞬の出来事で暴力行為は一切なかった」と述べている。

 展示会についてレヴィエフは、「世界で最も優れたダイヤモンドを展示する」とうたっていた。警察では、会期中の特別警戒の要請などは受けていなかったという。展示会は表通りから直接アクセス可能な場所にある会場で開催されていた。

 事件の被害総額が4000万ユーロで確定すると、2008年にパリ(Paris)で開催された宝石展示会に3人組の強盗が入り、展示品のほぼ全てに当たる、約8500万ユーロ(約110億円)相当の宝石が奪われた事件に次ぐ被害規模となる。カンヌでは今年の映画祭の期間中にも相次いで宝石が盗まれる事件が起きていた。