【7月27日 AFP】米裁判所は25日、「太平洋の女王(Queen of the Pacific)」の通称で知られ、メキシコの麻薬密輸組織に関係する中で最も悪名高い女の1人に対し、5年10月の禁錮刑を言い渡した。ただ、既に刑期と同等の期間拘束されているとして、さらなる収監は不要とされた。

 サンドラ・アビラ・ベルトラン(Sandra Avila Beltran)被告(52)は麻薬密売組織の幹部をかくまったとして、事後従犯の罪で起訴されていた。判決を言い渡したマイケル・ムーア(Michael Moore)連邦判事は、アビラ・ベルトラン被告がメキシコの刑務所で5年の刑に服し、米国に身柄を引き渡された後に11か月拘束されたことを鑑み、刑期は既に務めたと判断。被告は数日以内にメキシコに強制送還される予定だ。

 メキシコの麻薬組織「シナロア(Sinaloa)」の主要メンバーだったアビラ・ベルトラン被告は、コロンビア人の元交際相手、フアン・ディエゴ・エスピノサ(Juan Diego Espinosa)被告をかくまっていたとされる。エスピノサ被告は、コロンビアの麻薬組織「ノルテ・デル・バジェ(Norte del Valle)」とシナロアとの連絡役を果たしていた。

 アビラ・ベルトラン被告は2007年9月28日にメキシコ市(Mexico City)南部で身柄を拘束された。メキシコの検察によると、同被告は少なくとも1999年1月から2004年3月までコロンビアと米国の間で麻薬密輸を行っていた組織に属していた。

 カメラに向かって笑みを浮かべることで知られるアビラ・ベルトラン被告は、本や有名な歌の題材ともなっている。(c)AFP