【7月22日 AFP】中国の北京国際空港(Beijing International Airport)で20日、車椅子に乗った男が手製の爆発装置を起動させて負傷した事件について、インターネットなどで男の境遇に同情する声が上がっている。

 事件後、冀中星(Ji Zhongxing)容疑者(34)は警察による暴行が原因で車椅子生活を余儀なくされ、その賠償を求めて長い闘いを強いられていたと報道されると、冀容疑者を擁護するメッセージがネットに投稿され始めた。

 中国紙・新京報(Beijing News)によれば、冀容疑者は自身の苦境を世間に訴えるため、注目を集めようとして事件を起こしたとみられ、他人を傷つけないように爆発装置を起動させる前には空港の乗客らに警告したという。

「彼は周りにいた人たちに警告を発した。なんと優れた市民だろう。この国に彼より高潔だと自ら胸を張って言える人がいるだろうか」と、北京理工大学(Beijing Institute of Technology)のZhao Xiao教授は中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」に書き込んだ。ほかにも「彼は、彼に暴行を加えた警官ほど狂ってはいない」という書き込みも見られた。

 中国東部山東(Shandong)省出身の冀容疑者は、南部の広東(Guangdong)省東莞(Dongguan)市でバイクタクシーの運転手をしていたが、2005年に警官から激しい暴行を受け、障害を負ったと報じられている。(c)AFP