【7月21日 AFP】中国・北京(Beijing)の北京国際空港(Beijing International Airport)第3ターミナルで20日午後6時24分(日本時間同7時24分)ごろ、車椅子に乗った男が手製の爆発装置を起動させて負傷した。中国国営の新華社(Xinhua)通信が報じた。

 爆発させたのは中国東部山東(Shandong)省出身の男(34)。新華社によると男は手当てを受けているが生命に別条はなく、容疑者の他に負傷者は出ていないという。

 北京国際空港は世界で最も混雑した空港の1つ。同空港の到着ロビーに居合わせたベルギー・ブリュッセル(Brussels)に本部を置くシンクタンク「国際危機グループ(International Crisis Group)」の中国対外政策専門家ステファニー・クライネ・アールブラント(Stephanie Kleine-Ahlbrandt)さんはマイクロブログのツイッター(Twitter)に、「大きな爆発の後で煙やほこりが立ち込めパニックになった」と投稿した。この女性がインターネットに投稿した写真には、空港内に濃い白煙が漂う中、中国人の女性警官が人々に後ろに下がるよう手で合図する様子が写っている。

 また、その場に居合わせた別の人はツイッターに、爆弾を持った男が「しばらくの間、何かを叫んでいたが誰も気に留めなかった。すると男は爆弾にかぶせていた白いプラスチックの覆いを外した。周りの人々が何かおかしいと思い始めた頃になってようやく警備員が駆け付けてきた。警備員が何かを言いかけた時に爆発が起きた」と投稿した。

 ソーシャルメディアや中国のウェブサイトに掲載された爆発直前とみられる写真には、車椅子に座ったピンク色のシャツを着た男が左手に白い包みを持って、両腕を振り上げている様子が写っている。

 複数の国営ニュースやソーシャルメディアのウェブサイトは、容疑者がブログに書き込んだとされる文章を掲載した。これによると、容疑者は以前、中国南部の広東(Guangdong)省東莞(Dongguan)市でバイクタクシーの運転手をしていたが、2005年に警官から激しい暴行を受けたという。だが、ブログの真偽のほどは現時点では確認されていない。

 警察のこれまでの捜査によると、容疑者はビラをまこうとして阻止された直後に爆発装置を起動させたという。ビラの内容は明らかになっておらず、容疑者が何かに不満を抱いていたかどうかについても分かっていない。(c)AFP