スマトラ刑務所暴動、いまだ受刑者131人逃走中
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【7月14日 AFP】インドネシア・北スマトラ(North Sumatra)州メダン(Medan)の刑務所で暴動が発生し多数の受刑者が脱走した事件で、地元警察当局は13日、現在もテロ行為で有罪となった4人を含む131人が逃走を続けており、捜索範囲を拡大して行方を追っていることを明らかにした。
11日にメダンのタンジュングスタ(Tanjung Gusta)刑務所で起きた大規模な暴動では、刑務所内で頻発する停電や水不足に怒った受刑者らが所内に放火し、看守らにボトルを投げつけるなどして火災が発生。受刑者3人と職員2人が死亡している。
北スマトラ州の警察当局者は、AFPの取材に「スマトラ島全域の警察に捜索を行うよう指示した」と語った。
警察によると、暴動は治安部隊によって12日に鎮圧され、脱走した212人のうちこれまでに81人が身柄を確保された。しかし、テロ行為で有罪となり服役中の4人を含む131人が依然として逃走中だという。警察では北スマトラ州境の検問を厳しくするとともに、対テロ特殊部隊「デンスス88(Detachment 88)」も投入して捜索を続ける一方、タンジュングスタ刑務所には約1000人の警官と兵士を配備して警戒を強めているという。
■大統領、刑務所の改善を約束
13日記者会見したスシロ・バンバン・ユドヨノ(Susilo Bambang Yudhoyono)大統領は「このような事態の再発を防ぐため、過密状態の刑務所の環境改善に1兆ルピア(約99億3000万円)の予算を割くことを決めた」と述べ、収容人数が定員を大幅に超過した刑務所の状態を改善すると約束した。
インドネシア当局によると同国では、刑務所の大半で過密化が問題となっている。昨年2月にはバリ(Bali)島のクロボカン(Kerobokan)刑務所で受刑者が暴動を起こし、施設の一部に放火。人数で劣る刑務官らが避難する騒ぎが起きている。(c)AFP