【7月12日 AFP】米カリフォルニア(California)州オレンジ郡(Orange County)の検察当局は11日、ケニア人女性メイドを奴隷のように扱って働かせていたとして、サウジアラビア王女を逮捕したと発表した。

 10日に逮捕されたのはサウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ国王(King Abdullah bin Abdul Aziz)の孫の6人いる妻の1人、メシャエル・アライバン(Meshael Alayban)王女(42)。ケニア人女性(30)をメイドとして月給わずか220ドル(約2万2000円)で1日16時間、週休なしで働かせていた疑いがもたれている。

 検察によると、このケニア人女性は幼い娘の医療費のため海外で働き口を求めており、2012年3月からサウジアラビア国内のアライバン王女の王宮に勤務。今年5月に王女一家が米国に移住した際、共にロサンゼルス(Los Angeles)南東アーバイン(Irvine)の新居に移ったとみられる。

 女性は月給1600ドル(約16万円)、週40時間勤務の条件で職業あっせん会社と契約を交わしていた。ところが実際は、休日は一切認められず、荷物持ちとして王女一家に付き添うほかは外出も許されず、4軒の家で少なくとも8人の世話をさせられていた。王女は女性のパスポートを取り上げ、女性がケニアに帰国することも許さなかったという。

 女性は9日、王女の家からの脱出に成功し、通りがかったバスを止めて助けを求めた。乗客が手助けして警察に通報。女性はビザ取得時の面接で渡された自分の権利について記された説明書を携帯していたという。

 警察は、「ケニア人女性を米国に連れ込んだ人身取引と、本人の意思に反してメイドとして強制労働させた容疑」で王女を逮捕。その際、やはり強制的に米国に連れて来られたとみられるフィリピン人女性4人を保護した。有罪なら王女には最高12年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP