【7月9日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は8日夜、同国の人気歌手で人民解放軍の将官、李双江(Li Shuangjiang)氏の息子が強姦容疑で訴追されたと報じた。今年2月に起きたこの集団による性的暴行事件は、エリート層の子息の特権的な生活に対する国民的な怒りを巻き起こしていた。

 北京(Beijing)の検察当局は、新華社通信に対し、李冠豊(Li Guanfeng)容疑者(17)が「ホテルで女性を集団強姦した容疑者5人のうちの1人」であることを認めた。李冠豊容疑者の父、李双江氏は人民解放軍芸術学院の音楽科主任で、愛国的な歌で有名な歌手。

 2011年にも、李冠豊容疑者は仲間の少年と高級車を運転中に進路を妨害したとして夫婦を襲撃する事件を起こしている。当時、この事件がインターネットで広まったことを受けて李冠豊容疑者は矯正施設に収容され、父親の李双江氏が謝罪した。

■法を免れぜいたくな暮らしぶり、エリートの子息

 中国では、権力者や富豪の子息のぜいたくな暮らしぶりと人脈を利用して法を免れる行為に対し、国民の怒りが高まっている。

 2010年には、警察署長の息子が自動車死亡事故を起こしたものの、父親の地位を利用して逃れようとした。事故を起こした息子は「告訴するならしてみろ。おれの父親は李剛(Li Gang)だ!」と父親の名を出していたという。この息子は懲役6年の有罪判決を言い渡されている。(c)AFP