【7月8日 AFP】インドネシアのスマトラ島北部のグヌンレウセル国立公園(Mount Leuser National Park)で4日、スマトラトラに追われて木の上に逃げた男性5人が、依然としてトラがうろついているため、7日現在も木の上に取り残されたままとなっている。仲間の1人は、男性らが木の上に逃げ込む前にトラに襲われ死亡している。

 インドネシアでは人間と野生動物が鉢合わせする事例が増えているが、ほとんどの場合、敗者となるのは動物の方だ。

 地元警察によると、希少な香木を求めて2日に同国立公園に入った男性6人は、自分らの食事用にするシカを獲るわなを仕掛けた。だが4日、誤ってトラの子供がわなにかかり死んでしまった。これに怒ったトラたちが男性らを襲い、28歳の男性1人が死亡。残る5人は木の上に逃れたという。

 地元住民らが男性らを救おうとしたが、木の下にはトラ4匹がうろついているため救出を断念。警官や兵士30人から成る救援隊が6日、現場に向けて出発した。だが現場に到着するまで2~3日を要するという。まだトラがいた場合は、トラを射殺または鎮静して男性らを救出する。

 トラの中で最も小型のスマトラトラは、野生で生息するものは世界に400~500匹ほどしか残っていない。(c)AFP