エジプト反大統領デモで性的暴行、被害女性91人
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【7月4日 AFP】エジプト・カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)で、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領の退陣を求める抗議デモが続いている先月末からの4日間で、100人近い女性が性的暴力の被害に遭ったと、米ニューヨーク (New York)に拠点を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch、HRW)が3日、発表した。
HRWは声明で「何をしても許されるかのような空気の中、タハリール広場で暴徒からわいせつ行為を受けたり、強姦(ごうかん)された女性は少なくとも91人に上った」と述べている。
HRWが引用している数字は、エジプトで緊急電話相談など性的暴行の被害者支援を行う団体、エジプト反セクハラ・反性暴力運動(Egyptian Operation Anti-Sexual Harassment/Assault)がまとめたもので、報告されている性的暴行の被害者数は、先月30日が46人、今月1日が17人、2日が23人となっている。
また、エジプトの女性団体「女性学研究のためのナズラ(Nazra for Feminist Studies)」は、先月28日にはこれらに加えてさらに5人が同様の被害に遭ったと報告している。
HRWは、エジプト当局や政治指導者らに対し、タハリール広場におけるこうした「恐ろしい性的暴力をあらゆる面から非難し、緊急の措置を講じる必要がある」と訴えている。
被害に遭った女性の中には外科的処置が必要だった人も複数おり、「金属製のチェーンや棒、椅子で殴られたり、ナイフで刺された」被害者もいた。
治安の空白状態に乗じ、起訴されることはないとみた暴漢たちが犯行に及んでいるという説がある一方で、女性たちを怖がらせて抗議デモに参加させないようにするため、あるいは反政府デモのイメージを汚すための組織的な行為だとする見方もある。(c)AFP