【6月26日 AFP】米司法省は25日、イタリア政府の要請を受けて、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の名画「Compotier et tasse(果物皿とカップ)」(1909年)の売却を阻止したと発表した。推定1150万ドル(約11億円)のこの絵画の持ち主に、横領と詐欺の容疑が掛けられているためだという。

 同省によると、この絵画はニューヨーク(New York)で非公開で売却される予定だった。持ち主の女とその亡夫にはイタリアで400万ドル(約3億9000万円)の脱税容疑が掛けられている。米当局によると、持ち主は犯罪で得た金で絵画を入手したという。両国の当局は現在、絵画を速やかにイタリアに送還するべく協力している。

 米入国・税関管理局(US Immigration and Customs EnforcementICE)は5月、この絵画がニューヨークにあることを突き止めた。その後、イタリア当局からの正式な要請を受けた連邦裁判所が、売却差し止め命令を出した。(c)AFP