【6月16日 AFP】15日のニュージーランド紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)によると、同国の11歳(当時)の少年が、学校の友人の母(36)を妊娠出産させていたことが明らかになった。

 ニュージーランドの現行法では強姦(ごうかん)罪は男性にしか適用されないため、女性を強姦罪に問うことがなぜ認められないのかとの議論を巻き起こしている。児童への性的虐待問題に取り組んでいるカウンセラーらは、女性が強姦の加害者になる可能性への注意不足が浮き彫りになったと指摘した。

 ジュディス・コリンズ(Judith Collins)法相はこの事案を調査する意向を示し、「このケースは重要な問題を提起しており、法改正の必要性について助言を求める」とコメントした。

■少年が校長に相談して発覚

 妊娠出産した友人の母と少年は、オークランド(Auckland)市内ノースアイランド(North Island)地区に住んでいる。氏名は公表されていない。

 少年が通う学校の校長は同紙に対し、少年から事態を打ち明けられてショックを受けたと述べた。少年は昨年後半、友人の母と関係を持っていると校長に打ち明け、「やめなければいけない」と語ったという。

 性的虐待を受けた経験を持つ男性の組織は、この事例では少年の友人の母の責任を問うべきだという見解を示した。ニュージーランドの法律では、強姦罪が男性にのみ問われ、有罪になれば20年以下の禁錮刑が科せられる。一方、女性が男性に関係を強要した場合は強姦罪より軽い性的暴行罪が適用され、有罪となっても最大で禁錮14年にとどまる。

 同紙によると、生まれた赤ちゃんを約2か月前に保護した政府の福祉当局は、少年の学校での事案に対応していることを確認し、これが法廷で審理されていることを認めたが、それ以上のコメントを拒否した。警察もコメントを拒否したという。

 現在は12歳になった少年も保護されていると同紙は伝えている。(c)AFP